- 2012.02.23
- ブロッキング防止パウダー
オフセット印刷のインキは大別すると輪転機で使われている熱で乾燥するタイプの物と、枚葉機で使われている空気による酸化重合で乾燥するタイプの物に分かれます。この他にも紫外線照射により固まるタイプの物もあります。枚葉のオフセット印刷機で印刷された紙は、印刷機のデリバリ部分に次々排出されて積み重なっていきます。このまま積み重なっていくと乾燥していないインキが積み重なる上の紙に付着して汚れてしまったり、紙自身の重さも手伝い紙同士がくっつくこともあります。これはブロッキングと呼ばれる現象です。
この現象を防止するために枚葉オフセット印刷機では、デリバリの紙の排出部分にパウダーを散布する装置がついています。物凄く小さな何ミクロンという粒子のパウダーを一枚一枚の紙の上に薄く均一に散布することにより紙と紙の間に隙間を作り、空気が入りインキの酸化重合をし易くします。また紙と紙の間に隙間ができることにより、乾ききっていないインキが積み重なる紙に付着することも防ぎます。以前に一度スプレーを切らしたまま印刷したものを見たことがありますが、切らしていた部分はバリバリに紙がくっつき巨大な塊になっていました。
本やパンフレットなどの印刷物を開いた時に粉っぽさを感じた事はありませんか?実はのブロッキング防止パウダーが粉っぽさの正体です。粉っぽいといっても通常は肉眼ではっきり確認できたり、こすった指先に付くようなレベルではありませんが・・・。ちなみにこのパウダーの主成分はでんぷんです。